蓮華岳大沢右俣


2005/5/1















雪の斜面を数歩歩いては立ち止まってしまいます。単調な雪の坂は延々と続きます。スキー板を担いで扇沢の駅前を歩き出してからもう5時間半。標高は2500mを越えたのでしょうか。もう少し登れば稜線に出れるはずです。ザックから握り飯を取り出し腹に入れます。天気は下り坂の予報。登ることはあきらめて滑り降りることにしました。スキー靴に縛りつけたわかんをはずしスキーを履きます。背負ったスキーの重さから開放された自由感が心地よいです。初めて翼を手に入れた若い猛禽のように深い谷底を眺めてみます。慎重にやや後傾気味で滑りはじめました。ゲレンデにはない、開放感と緊張感。本物のスキーを堪能できた。そんな気がしました。スキーで滑り降り、扇沢に置いた車に着いた頃。3時頃からからぱらぱらと雨が降り出しました。
針ノ木雪渓を登り滑ったつもりでしたが間違っていました。家に戻ってから地図をよく見れば、大沢小屋の下の堰から左の大沢に入っていたようです。他のパーティーを追うように、その先にも別のパーティーを確認し、針ノ木雪渓と思い込んでいました。この大沢も針ノ木雪渓に劣らず、あるいはスキーを滑降するためのロングルートとしては逆に優れているともいえるということを後で知りました。

7:30 扇沢駅前
13:10 大沢右俣2500m付近
13:30 大沢右俣2500m付近
15:00 扇沢駅前




稜線の風に吹かれて

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