北岳、間ノ岳、農鳥岳
2003/8/13〜17
13日
自家用車を使い、友人と二人、奈良田に入りました。
今年は道路崩壊による交通規制もあって、広河原から農鳥岳までピストンにしようかと友人の案もあったのですが、インターネットで教えられたタクシーの電話番号が役立ちました。
奈良田の里の駐車場に車を止めて、予め携帯電話に登録しておいた電話番号を呼出しました。40分ほどでタクシーは到着。大型のタクシーに二人だけ、ザックとともに広河原に送ってもらいました。
今回、新しくマイテントを購入しました。3人用、4人まで。アライテント。
初めてのマイテント泊は、南アルプス広河原山荘のキャンプ場。意地の悪い友人は、笑いながら見てるだけ。四苦八苦で設営しました。
それでも、昼前には設営を終わり、野呂川の流れを子守唄に昼寝です。
13日夜半、テントを叩く雨の音に目を覚まします。
14日未明、台風の後で水量の多い野呂川の音を打ち消すほどに、雨は激しさを増します。
14日
雨。
すぐ近くにあるトイレに行くにも傘が必要。トイレに行くのもためらうほどに雨は強さを増しているようです。一部の幕営者のみテントをたたみ出発。自分逹はここに停留することに
しました。
途切れ途切れの電波を拾い、甲子園高校野球、雨天中止の情報を知りました。
15日
三日目の広河原。雨の勢いは衰えることはありません。テントを撤収し、撤退。帰路につくことを決めました。
ところが、
広河原、奈良田間。通行止。復旧見通し不明の情報。
歩いていくことも駄目なようです。
奈良田のその先も道路崩壊により通行止。缶詰状態。
反対方向の北沢峠行のバスは運行を始めるようですが、その先は通行止復旧見通しなし。
雨が少し小降りになりました。とりあえず、天気のほうは回復しそうです。
奈良田への残された道はただ一つ、当初の予定どうり、白峰三山縦走を決断。
11:40 広河原
雨も小降りになり、天気も回復しそうな様子。肩の小屋を目指すことに決めました。
時間的に余裕のないのは承知だけども、
焦っても仕方ないからと、ゆっくりと足を進めることにしました。
大樺沢を沿うルート。沢の水量は多く先の長さに少しの不安。
すれ違いの下りの単独行者が、水量が多く本流の沢を渡れなければ、旧ルートを行け
ばいいと教えてくれました。少しは藪漕ぎもあるが赤テープもあり大丈夫と。その通
り増水した本流をまたぐルートは危険な状態。教えられたルートを、地図で確認しつ
つ進むことにしました。
広河原で停留し、二日間たらふく雨を沁み込んだテントは重く、ザックが肩にくい込
みます。雨は止み少し空が明るくなって、振り返れば鳳凰三山が姿をあらわしまし
た。
大樺沢二股から右俣へ。名も知らぬ高山植物の花の群れ。花を楽しむ余裕もなく、け
れど小さく咲く花に励まされ、重い一歩を進めました。
18:00 肩の小屋
小屋は閑散とした様子。思いがけない登山者を歓迎してくれました。
テント場。一張のみ先客。単独行の青年はこの日が15泊目という達人。
雨はあがっているものの、まったく展望はなく、ガスの中。相棒の友人が水を汲みに
行く間、テント設営。茶臼岳から来たというつわものの青年が手伝ってくれました。
16日
小雨の降る中、テント撤収。
6:50 肩の小屋幕営地
重いザックに喘ぎながらも…
7:35 北岳3192m
北岳は二度目。懐かしい山頂の様子。前回は左俣の側から登りました。そのときは強
風。今回はガスの中。ほんの少しだけ青空が戻りました。
8:05 北岳
9:00 北岳山荘
また降り出した雨に、かっぱを着なおします。
9:15 北岳山荘
10:00 中白根山3055m
10:20 中白根山
11:30 間ノ岳3189m
一瞬の晴れ間もつかの間。またまた雨。誰もいない山頂で、しばらく腰をおろして合
羽に当る雨の音。条件が良ければ、三峰岳2999mまで足を伸ばすつもりでしたが、み
るみるうちにまたガスに覆われてしまいました。
12:05 間ノ岳
これでもかと言うくらいに、岩にペンキで書かれた案内。感覚に頼れば方向が違うよ
うな錯覚。悪天時は注意が必要です。
13:00 農鳥小屋
「テント泊ですか」と、山小屋の主。
「考えてるんですよ。素泊まりにしようかどうしようか。」
「天気、また崩れるみたいだよ。」
結局、小屋泊まり。素泊まりにもかかわらず、心づくしの気遣いに恐縮してしまいま
した。不安定ながらも少しの晴れ間を楽しんで、少しの間でもテントを干して、ザッ
クに残っている焼酎を飲んで。
4時過ぎにやってきた単独の登山者。自分たち以外の初めての小屋泊まりの客です。
こんな時間に来やがって。自分たちとは正反対、山小屋でこんな仕打ちを受けたのは
初めてとぼやいていました。やはり山小屋には早い時間に入るのが鉄則のようです。
17日
雨。素泊まりにしたのは正解でした。雨の中のテント撤収は大変です。おまけに水滴
で重量が増す。早朝、準備をしていると、夜には灯りもない小屋なのに、小屋主がカ
ンテラを持ってきてくれました。
5:50 農鳥小屋
風があり、濡れた岩場は慎重になります。
6:40 西農鳥岳3051m
7:15 農鳥岳3026m
7:30 農鳥岳
この雄大な稜線は、晴れていたら極楽のような風景なのに…。
大門沢下降点。吹雪の中、下降点を探しきれず遭難したパーティーの碑がありまし
た。
9:55 大門沢小屋
小雨なのに、かっぱも脱いで、汗かいて、やっと到着。缶ビールがうまい。
愛想の良い、峠の茶屋のようなオバチャンでした。
10:25 大門沢小屋
13:25 奈良田の里
雨。奈良田の里の温泉で汗を流しました。
稜線の風に吹かれて